書類の届出 ~従業員の所定の労働時間や日数が変わった時~

 従業員が雇用された時は社会保険や雇用保険に加入していても、週所定の労働時間や労働日数、賃金が下がり保険から外れる(適用除外となる)、あるいはその逆に、賃金が上がる等して保険の適用外から、適用対象になることもあります。ここではその時の手続きについて説明します。
 なお、変動が一時的な時は、手続きの必要はありません。

Ⅰ.所定の労働時間や日数が増加した時

1.下記の3つに当てはまる時は、社会保険に新規に加入する必要があります。加入手続き自体についてはこちらのページの社会保険の項目をご覧ください。なお、通常の労働者とは、いわゆる正社員のことだと考えてください。

(1)適用事業所の従業員
①社会保険に加入していなかった者が、通常の労働者となった。
②社会保険に加入していなかった者について、週の所定労働時間および月の所定労働日数が、通常の労働者の3 / 4以上になった。
③以下の2つの要件を満たすこと
・特定適用事業所ではない事業所が、所定の手続きにより、任意で特定適用事業所となったこと
・下記(2)に当てはまること

(2)特定適用事業所ではない適用事業所の従業員
①上記①②と同じ
③社会保険に加入しておらず、週の所定労働日数または月の所定労働時間が通常の労働者の3 / 4未満の者が、下の要件をすべて満たすようになった(これを短時間労働者と言います)。
・一週間の所定労働時間が20時間以上であること
・毎月の賃金が88,000円以上であること
・2ヵ月を超えて雇用される見込みであること
・学生ではないこと
※特定適用事業所とは、社会保険の被保険者の総数が101人以上の事業所のことです。101人いるかどうかは、1年のうち6ヶ月間以上、被保険者の総数が101人以上となることが見込まれるかどうかで判断されます。

(3)その他、適用除外されていた者が、適用対象になった場合

健康保険法第3条・第48条・附則第46条、同施行規則第23条の3の3
厚生年金保険法第12条・第27条・附則第17条、同施行規則第14条の6

2.社会保険にすでに加入している者について、以下の場合は書類の提出が必要になります。

・特定適用事業所の「短時間労働者」が、通常の労働者になった。

(1)提出書類 健康保険・厚生年金保険 被保険者区分変更届
(2)提出先  管轄年金事務所
(3)提出時期 事実があった日の翌日から5日以内
(2)添付書類 なし

健康保険法第28条の3

Ⅱ.所定の労働時間や日数が減少した時

 基本的に上の逆ですが、以下に記述します。

1.下記の3つに当てはまる時は、社会保険の適用除外になるので、資格を喪失させる必要があります。喪失のための手続き自体についてはこちらのページの「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」の欄をご覧ください。

(1)適用事業所の従業員
・社会保険に加入している労働者について、週の所定労働時間または月の所定労働日数が、通常の労働者の3 / 4未満になった。

(2)特定適用事業所の従業員
 以下の2つの要件を満たし、「短時間労働者」にも当てはまらなくなれば、社会保険の資格が喪失されます。

①社会保険に加入している労働者について、週の所定労働日数または月の所定労働時間が通常の労働者の3 / 4未満になった。
②以下の要件のうち、どれか一つでも当てはまること。
・一週間の所定労働時間が20時間未満であること
・毎月の賃金が88,000円未満であること
・2ヵ月を超えて雇用される見込みがないこと
・学生であること

(3)その他、社会保険の加入者が、適用除外になった場合

2.社会保険にすでに加入している者について、以下の場合は「健康保険・厚生年金保険 被保険者区分変更届」の提出が必要になります。

・特定適用事業所の「通常の労働者」について、週の所定労働時間および月の所定労働日数が、通常の労働者の3 / 4以上になった。

 なお、提出方法等は上と同じです。

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