雇用保険の被保険者になる時

 このページでは働く人が雇用保険の被保険者になる時はいつなのかについて取り上げます。被保険者になる時はそのための手続きが必要になりますし、その逆もしかりです(被保険者に該当した時の提出書類はこちらのページをご覧ください)。
 基本的に正社員や、フルタイムで正社員と同じ時間、同じような待遇で働いている方は被保険者になりますので、それ以外の場合はどうかということを中心に説明します。
 なお、事業所が各保険の適用事業所や任意で加入していることを前提にお話をします。

Ⅰ.採用時

 まずは、従業員の採用時に雇用保険の被保険者となるかどうかの判断の仕方を説明します。

1.被保険者の種類
 雇用保険法の被保険者には、大きく分けて4種類あります。具体的には以下の通りです。

(1)一般被保険者
 下の(2)~(4)のいずれにも当てはまらない被保険者のことです。
(2)高年齢被保険者
 65歳以上の、下の(3)(4)のいずれにも当てはまらない被保険者のことです。また、2以上の事業主の適用事業に雇用されている等、一定の場合は「特例高年齢被保険者」となります。
(3)短期雇用特例被保険者
 季節的に雇用される者のことです。ただし、日雇労働被保険者は除きます。
(4)日雇労働被保険者
 日々、または、30日以内の期間を定めて雇用される者のことです。


2.一般被保険者とならない場合
 雇用保険法では、基本的に「適用事業に雇用される労働者」は被保険者であるとされています。ただし一定の要件に当てはまれば適用の対象外となります。具体的には以下の者は適用除外となります。

・1週間の所定労働時間が20時間未満である者
・同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者
(前2ヶ月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者は被保険者となります)
・学生(高校、大学、専門学校、各種学校等)※1
・船員法に定める船員のうち、一定の者
・国、都道府県等に雇用される者(≒公務員)のうち、一定の者
・高年齢被保険者や短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者

雇用保険法第4条・第6条、同施行規則第3条の2

3.高年齢被保険者や短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者となる場合
 ここでは各被保険者となる要件を述べます。いずれにも当てはまらず、週の所定労働時間が20時間以上等であれば、一般被保険者になると考えてください。

(1)高年齢被保険者となる場合
 以下に両方を満たせば(特例)高年齢被保険者に該当します。

・上記2の適用除外ではないこと(=週所定労働時間が20時間以上であったり、31日以上の雇用が見込まれていたりすること)
・65歳以上であること

 なお、週の所定労働時間が20時間に満たなくても、5時間以上であれば、申出により特例高年齢被保険者となれる可能性があります。

(2)短期雇用特例被保険者となる場合
 季節的に雇用される者は短期雇用特例被保険者に該当します。ただし、以下の両方に当てはまる場合は除きます。

・4ヶ月以内の期間を定めて雇用される者
・1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者

要は、雇用期間が4ヶ月を超えており、週所定の労働時間が30時間以上であれば短期雇用特例被保険者となるということです。

(3)日雇労働被保険者となる場合
 細かい要件はありますが、上記の通り、「日々、または、30日以内の期間を定めて雇用される者」は日雇労働被保険者に該当します。なお、一般被保険者となる要件を満たしても、認可を受けて引き続き日雇労働被保険者となることもできます。

雇用保険法第37条の2・第37条の5・第38条・第42条・第43条、同施行規則第65条の7
平成22年厚生労働省告示第154号

4.具体的な判断基準
 法律では雇用保険の適用対象となる者、ならない者が定められていますが、具体的に当てはめると被保険者となるのか判断がつきにくいことがあります。そこで以下で、より詳細な基準を説明します。

・個人事業主や、法人の代表取締役
 被保険者とはなりません。
・代表取締役以外の取締役や監査役
 原則として、被保険者とされません。ただし、会社の部長や支店長、工場長等の従業員としての身分を有しており、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い場合等は、雇用関係があると認められ、被保険者となることがあります。
・国外で働く者
 出張や転勤であれば被保険者となります(現地採用の者は除きます)。
・日本に住む外国人
 国籍にかかわらず、被保険者となります(無国籍も含みます)。ただし外国の失業補償制度の適用を受けていることが立証された者等は除きます。
・同居の親族
 個人事業主と同居している親族は、原則として被保険者とはなりません。ただし、事業主の指揮命令に従っていることが明確である等の要件を満たせば、被保険者となります(通常の労働者と変わらないと認められるためです)。
 また、法人の代表者と同居している親族は通常の被保険者と同じ基準で判断されますが、例外もあります。
・外国人技能実習生
 被保険者となります(一定の座学講習期間は除きます)。
・2以上の事業主に雇用される者(=在籍出向や、兼業や副業をしている者、労働組合の専従者)
 自社と、出向先や副業先等の両方が雇用保険の適用事業所である場合、生計を維持するのに必要な主たる賃金※2を受ける方の事業所のみ、被保険者となります。
・事業主に雇用されつつ自営業を営む者等
 適用事業の事業主に雇用されつつ自営業を営む者(法人の役員等を含みます)については、その事業主の下で就業する部分は、被保険者として取り扱われます(自営業の収入については雇用保険料の支払いは不要ということです)。

雇用保険に関する業務取扱要領

Ⅱ.採用後

 続いて、採用後に被保険者となったり、被保険者資格が切り替わったりする場合について説明します。前提として、適用除外となる事由が一つだけあり、その他の条件は満たしているものと考えてください。

1.新たに一般 / 高齢被保険者となる場合
 採用当初は被保険者ではなくても、その後の労働条件の変更等により被保険者となる場合があります。具体的には以下のパターンがあります。
 被保険者資格が切り替わる日において65歳未満であれば一般被保険者、65以上であれば高齢被保険者となります。
 
(1)1週間の所定労働時間が20時間の者
 週所定の労働時間が、労働条件の変更により週20時間未満から週20時間以上となった場合、被保険者となります。資格取得日は31日以上雇用されることが見込まれることとなった日です。

(2)短期雇用特例被保険者
 短期雇用特例被保険者が同一の事業主に引き続いて 1年以上雇用された場合、被保険者となります。資格取得日は、雇用期間が1年以上となるに至った日(雇用されてから1年以上経った日)です。

(3)日雇労働被保険者
①日雇労働者が2ヶ月連続で、各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合、被保険者となります。資格取得日は、その翌月の初日です。

②日雇労働者が同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合、被保険者となります。資格取得日は、31日以上雇用されるに至った日(31日目)です。

(4)暫定任意適用事業
 暫定任意適用事業(ここでは詳細は省きます)が、労働者の増加や法人化により適用事業となった場合や、任意適用が認可された場合、被保険者となります。資格取得日は、適用事業となった日や認可のあった日です。


2.新たに短期雇用特例被保険者となる場合
 4ヶ月以内の期間を定めて季節的に雇用される者が、その期間を超えて引き続き同一の事業主に雇用された場合、短期雇用特例被保険者となります。資格取得日は、定められた期間を超えた日です。例えば、季節的業務に 3ヶ月の契約で雇用された者であれば、4ヶ月目の初日から被保険者資格を取得します。
 ただし、最初の期間と新たに予定された期間が通算して4ヶ月を超えている必要があります。

雇用保険に関する業務取扱要領

※1 以下のいずれかに当てはまる方は、学生であっても被保険者となります。
・卒業後も引き続き雇用されることとなっている卒業予定者
・休学中や、定時制の課程に在学する者
・その他、職業安定局長が定める者

※2 基本的には給料の多い方と考えてください。

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